取組紹介・コラム

Webアクセシビリティ対応、約半数の市区町村ページで「問題あり」

必要な情報が届かない要因にも―Webアクセシビリティ対応の必要性

2024年4月の障害者差別解消法改正により、民間事業者にも合理的配慮の提供が義務化されました。
一方で、国や地方公共団体は以前から合理的配慮や環境整備に取り組む責務を担っており、社会をリードする立場としての対応が期待されています。

本記事では、官公庁・自治体でWebサイトを運営する方と、公共分野のWebサイトを制作・運用する事業者の方双方に向けて、Webアクセシビリティ対応の基本的な考え方と、取り組みの進め方をご紹介します。

Webアクセシビリティとは、誰もがウェブサイトやオンラインサービスを利用できる状態を指します。
対象となるのは障がいのある方ではありません。高齢者や外国人、一時的な身体的制約のある人、利用環境に制約のある人なども含まれます。
日本においても、アクセシビリティへの配慮を必要とする人は決して少なくなく、その対象は2〜3人に1人に及ぶという見方もあります。
こうした背景から、Webアクセシビリティ対応はもはや努力目標ではなく、公的機関として避けては通れない取り組みとなっています。

公的機関のホームページでは、JIS X 8341-3:2016 レベルAAを目標として対応を進めることが求められています。
レベルAAは、行政サービスを広く利用できる状態を確保するための基準と位置付けられています。
しかしながら、公的機関のWebアクセシビリティ対応状況に関する調査では、Webアクセシビリティ上の問題を抱えるページが存在する市区町村は47.7%(※)にのぼっており、多くの自治体にとって引き続き対応が求められる状況にあります。

対応が不十分な場合には、情報格差や住民サービスへの影響につながる可能性があり、特に災害時や緊急時には、必要な人へ重要な情報が届かないおそれもあります。
次のような住民の情報取得やサービス利用に関わるページでは、利用者への影響が大きくなることが考えられます。

  • 子育て、福祉、介護に関する制度の確認
  • 税金や保険料の手続き
  • ごみ収集や生活情報の確認
  • 選挙情報の確認
  • 公共施設の予約
  • オンライン申請
  • 災害・避難情報の取得

※出典:総務省「令和5年度 公的機関のウェブアクセシビリティ対応の促進に関する調査研究報告書」(2024年公表)

まず取り組むべきは「方針の公表」と「現状把握」

Webアクセシビリティの具体的な対応としては、音声読み上げ、キーボード操作への対応、適切な色のコントラストの確保、画像や図表への代替テキスト設定などが挙げられます。

しかし、そのような具体的な改善に着手する前に、まず取り組むべきなのが、Webアクセシビリティ方針の策定と公開です。
対象範囲や目標適合レベル、達成期限、例外事項、問い合わせ窓口などを整理し、どのような方針で対応を進めるのかを明確にします。

その上で、主要なページを抽出し、機械検証と人の目による適合検査によって現状を把握します。
現状把握の結果をもとに課題を整理し、必要な修正を実施した後、再度検査を行うことでを準拠レベルを確認していきます。

そして、準拠レベルを達成することがゴールではありません。
ホームページは継続的に更新されるため、運用ガイドラインの整備や定期的な確認・検査を通じて、日頃からWebアクセシビリティを意識した管理を行っていくことが重要です。

官公庁・自治体と制作会社・運用会社、それぞれの取り組みのポイント

自治体によって、ホームページ等の運用体制はさまざまです。
職員が中心となって進める場合もあれば、サイト構築や運用を担うベンダーと連携しながら進める場合もあるかと思います。
しかし、どのような体制であっても、方針の整理、現状把握、改善、再検査といった基本的な流れは共通しています。
官公庁・自治体と制作会社・運用会社、それぞれの取り組みのポイントを整理すると、以下のようになります。

官公庁・自治体の担当者に求められること
  • 対象範囲と目標レベルを定める
  • Webアクセシビリティ方針を策定・公開する
  • 調達仕様書に対応要件を明記する
  • 保守運用会社と検査会社を分離して試験の客観性を担保する
  • 公開前後に試験を行う
  • 更新後も定期的に確認する
  • 問い合わせや改善要望を受け付ける窓口を設ける
制作会社・運用会社に求められること
  • 提案・見積もり段階で対応範囲を明確にする
  • デザイン、HTML、CMS、PDFなど工程ごとに確認する
  • 「対応する」という曖昧な表現ではなく、目標レベルや試験方法を明記する
  • 公開前に試験を行い、結果を提出する
  • 保守運用会社と検査会社を分離して客観的な試験を行う
  • コンテンツ更新担当者向けに運用ルールを提供する
  • 契約や保守の中に継続的な改善を組み込む”

まとめ

Webアクセシビリティ対応は、もはや努力目標ではなく、公的機関に求められる要件の一つとなっています。
まずは、方針の整理と現状把握を行い、自組織のサイトがどのような状態にあるのかを把握することが、対応の第一歩となります。
その上で、継続的な改善と運用を前提とした取り組みを進めていくことが重要です。


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しかしながら、

といった課題を抱えるケースも少なくありません。

スパイラルアイギス株式会社は、JAB(公益財団法人 日本適合性認定協会)が認定したWebアクセシビリティ検査会社です。
Webアクセシビリティ方針の整理から適合検査、改善支援、再検査、継続運用に向けたガイドライン整備まで、Webアクセシビリティ対応を一貫で支援しており、検査実施後はJAB認定の正式な検査証明書を発行することができます。

まずはWebアクセシビリティについて知りたい、方針策定や現状把握から始めたい、という段階でも、丁寧にご説明いたします。
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