課題解決の事例

「マイ広報紙」導入で業務負担を軽減――紙との併用で進める瀬戸市の広報DX

瀬戸市(愛知県)

業務領域
広報広聴
サービス
マイ広報紙(ライトプラン)

課題と解決策

課題

広報と広聴を同じ部署で担う中、限られた人数で広報業務を運用しており、増え続ける情報発信への対応と業務負担が課題となっていた。

解決策

以前利用していたサービスでは、広報紙公開前の作業負担が大きな課題としてあった。そこで、PDFデータを送るだけで多言語対応やテキスト化に対応できる「マイ広報紙」を導入し、業務負担の軽減を図った。

効果

以前は丸1日かかっていた作業が不要となり、業務負担の軽減につながった。住民からはデジタル広報紙に関する声が寄せられることもあり、認知度が高まっている。アクセス分析の結果も、広報紙制作の活用材料の1つになっている。

課題解決の取り組み

目次
瀬戸市役所庁舎

愛知県北東部に位置する瀬戸市は、日本を代表する陶磁器産地「瀬戸焼」のまちとして知られています。
周囲を豊かな自然に囲まれながら、名古屋市中心部から約20kmという立地を生かし、住宅都市としての側面も持っています。
また、企業団地への立地企業も増えており、近年は外国人住民も増加しています。
ブラジルやフィリピンをはじめ、さまざまな国・地域にルーツを持つ方々が暮らしており、多言語での情報発信の重要性も高まっています。

左から秘書広報課 係長 岩田朋也様、主任 峯岸夏美様

瀬戸市では、2025年から広報紙配信サービス「マイ広報紙 ライトプラン(※アクセス分析レポート機能をオプション付与)」を導入。
今回は秘書広報課広報広聴係 係長 岩田 朋也様に、導入の背景や効果についてお話を伺いました。

1.増え続ける情報発信と広報業務の負担――導入前の課題

広報紙の担当は実質1人体制です。私自身も広聴業務との兼務で広報に携わっていますが、広報紙の制作は主担当の職員を中心に進めています。
取材や写真撮影、記事作成に至るまで、基本的に職員ですべて対応しています。

広報紙は月1回発行ですが、掲載する情報量は年々増えています。
数年前から月1回に発行回数は減りましたが、その分ページ数や掲載内容は増えているので、業務量が大きく減ったという感覚はありません。
少しでも負担を軽減できるものがあれば、積極的に活用したいという思いは以前からありました。

以前は別の広報紙配信サービスを利用していましたが、例えば音声読み上げ用のふりがなを付ける、などといった準備作業を職員側で行う必要がありました。
それだけで丸1日かかってしまうこともあり、作業時間を確保すること自体が大きな負担になっていました。

2.コストを変えずに作業負担を軽減、豊富な翻訳言語も魅力――導入の背景

広報紙のデジタル化について情報収集を進める中で、「マイ広報紙」は当時使っていたサービスと費用が大きく変わらない一方で、職員の作業負担を大きく減らせることが分かりました。
他にも、多言語対応の言語数が多いことや公開までの反映が早いことなども選定した理由です。

また、瀬戸市では近年企業団地で働く外国人住民も増えており、英語だけでなくポルトガル語やタガログ語、マレー語など、多様な言語で情報を届けられることも大きな魅力でした。

予算面については、以前利用していたサービスと大きく変わらない費用で導入できたため、比較的調整しやすかったと思います。

一方で、以前利用していたサービスは利用者も多かったため、「マイ広報紙」に切り替えることで、見てもらえなくなるのではないかという懸念がありました。
実際に導入してみると、利用者が減ったということはなく、むしろ増えているようにも思います。

導入に向けての庁内での調整については、他自治体での導入実績を参考にしながら、同程度の費用でより多くの言語に対応できることや、職員の作業負担を減らせることを説明しました。
特に作業負担の軽減は、庁内調整の中でも大きな訴求ポイントでした。

月1回発行の「広報せと」

3.丸1日かかっていた作業が「PDFを送るだけ」に――導入後の効果

一番大きかったのはやはり作業負担の軽減です。
以前は広報紙の読み上げ対応などの設定を職員側で行っていましたが、今は広報紙のPDFデータを渡すだけで対応してもらえます。
そのため、以前は丸1日かかっていた作業がなくなり、実感としては全体で月20時間程度、作業量が減っているのではないかと感じています。
作業だけでなく、確認の負担も減ったので、本当に助かっています。

広聴も担当しているので、住民の方からの声を直接伺うこともあります。
「デジタル化をもっと進めてほしい」という声もありますし、「ここまでデジタルで見られるなら紙は不要ではないか」という意見もあります。
一方で、「紙の広報紙がなくなるのではないか」と心配される方もいます。

賛否両論ありますが、それだけ多くの方に見ていただいているということでもあり、広報紙をデジタルで読めるということが、少しずつ住民の方にも認知されてきているのだと思います。

はい、毎月楽しみに見ています。自治体ホームページのアクセス分析もしていますが、見られている記事の傾向はかなり似ていますね。
特によく見られるのは、ごみ収集日の情報です。これはホームページでも広報紙でも変わりません。子育て関連の情報もよく見られています。

ただ、アクセス分析を見る限り、住民の方が見たい情報と、行政として届けたい情報にはどうしても差があるようです。
伝えたい情報をどう見てもらうかは、今も試行錯誤しているところです。

例えば、見てほしい記事を前の方のページに配置したり、スペースを広めに取ったり、文字だけでなくイラストを使ったりと工夫しています。
ただ、住民の方は目的のページに直接アクセスすることも多く、伝えたい情報をどのように届けるかは今後も課題だと感じています。

4.広報紙をデジタルで読む文化を広げるために――今後の展望

どうしても紙の広報紙だけだと読んでいただける層は偏ってしまうので、「広報紙がデジタルで読める」ということをより多くの方に知っていただけるようになると、紙媒体だけでは届きにくい方にも情報を届けやすくなるのではないかと思っています。

瀬戸市も高齢化率は30%を超えており、高齢者の方は多くいらっしゃいます。
ただ、高齢化が進んでいるからデジタル化できないとは考えていません。実際には70代でもスマートフォンを使っている方も多いです。

一方で、「紙の広報紙だから読んでいる」という方もいるので、すぐに紙をなくすことは難しいと思います。
まずは紙媒体と併用しながら、広報紙がデジタルでも読めることを知ってもらい、少しずつでも良いので利用者を増やしていきたいですね。
将来的には、紙に頼らない情報発信の実現が理想だと思っています。

(2026年8月17日掲載)
※自治体情報・肩書などを含め、本事例ページに記載された内容は取材当時(2026年7月)のものです。 


利用サービス


このようなお悩みをお持ちの方は、ぜひご相談ください
  • 広報担当者が少人数で、取材や広報紙制作まですべて職員で対応している
  • 広報のデジタル化を進めたいが、運用負担が増えることに不安がある
  • 広報紙のデジタル化サービスの運用について、具体的にイメージができない

情報収集の段階でも丁寧にご説明します。まずはお気軽にご相談ください。