取組紹介・コラム

【広報・情報発信】 情報は「受け取るもの」から「自ら選び、活用するもの」へ

地域の情報発信手段として、自治体広報紙は欠かせない手段の1つです。
近年では紙媒体での発行に加え、デジタル版や配信プラットフォームの活用も広がってきており、デジタルに親しみのある層だけでなく、音声読み上げ機能や多言語翻訳機能を通じて、外国籍の住民などこれまで十分に届きにくかった層へ情報を届ける動きも見られます。

このような、デジタルを活用することによる「情報の届き方の変化」は、今や広報の領域にとどまらず、他の領域の行政サービスや住民の地域活動の領域にも広がっています。

必要な情報を届ける行政サービス

東京都千代田区では、区ポータルサイトに申請や予約、決済などを統合し、さらにアカウント情報に基づくプッシュ通知で住民に情報を直接届ける仕組みが整備されています(※1)。
また、AIチャットボットが24時間対応し、必要な手続きに自然に誘導する形も採られています。

千代田区をはじめ、近年では自治体ホームページ上に問い合わせ用チャットボットを設置する自治体が増加しています。
従来のように広報紙やWebページへ情報を掲載するだけでなく、必要な情報を必要とする住民に的確に届ける発信のあり方は、広報部門に限らず、行政全体として重視されるようになっています。

地域単位で進む情報発信や利活用の変化

一方で、より身近な単位でも変化は起きています。
東京都町田市の小川自治会では、LINEを活用してイベントや防犯情報を配信しており、約470人が登録しています(※2)。
回覧板に比べて、家族全員が同時に情報を受け取れる点が特徴とされています。
紙の回覧では、どうしても人によって情報の時間差やばらつきが生じがちですが、個人端末への配信に切り替えることで、その前提自体が変わってきているようです。

さらに同自治会では、防犯カメラの設置場所を決める際に、携帯電話のGPSデータから人の流れを把握し、客観的な根拠に基づいて意思決定が行われています。
広報や情報発信とは少し異なる領域ですが、データを根拠として活用することで、地域内での合意形成が進めやすくなるという側面も感じられます。

こうした事例を見ていくと、情報発信の手段が変わる中で、住民にとって受け取るだけだった情報が、
自ら選び、必要に応じて活用していくものへと変化してきていることが窺えます。

自団体で置き換えるとしたら、まずはどの接点から変えていくと無理がないのか。
そんな観点で、自団体の取り組みを考えるきっかけになればと思います。


※当コラムは「マイ広報紙」に掲載されている自治体広報紙記事の内容を基に作成しています。

参考リンク

※1 広報千代田 令和7年(2025年)11月5日号No.1651/「【特集】知っていますか?あなたの生活を便利にする千代田区DXのこと(1)」
https://mykoho.jp/article/131016/9984496/10034105

※2  広報まちだ 2026年4月15日号/「町内会・自治会の新たな挑戦」
https://mykoho.jp/article/132098/10475990/10567770