取組紹介・コラム

自治会の高齢化、担い手不足―1100自治体の調査から見る課題とデジタル化への期待

地域コミュニティの維持において重要な役割を担う自治会・町内会。
しかし近年は加入率の低下や役員の高齢化、担い手不足など、多くの課題に直面しています。
こうした状況のなか、自治体では自治会運営の負担軽減や効率化を目的とした、デジタル活用への関心が高まっています。

スパイラル株式会社は、スパイラルローキャス株式会社と共同で全国自治体の自治会・町内会運営についての調査を実施しました。
当社インターン生が架電、ヒアリングをする形式で行った調査では、全国約1100自治体から回答を取得しました。
本記事では、その調査結果から、自治会運営の現状や課題、そしてデジタル化への期待についてご紹介します。

調査概要

対象全国自治体の自治会・町内会担当部門
実施期間2026年4月18日~6月16日
調査内容自治会の加入率の管理、役員との接点、依頼業務の見直し、DX導入状況などについて調査
調査手法架電及びWebフォームでのアンケート調査
有効回答数1103件/1709自治体

自治会加入率は把握していても、目標設定は少数派

自治会加入率を把握している自治体は54.4%と過半数を占めました。
一方で、加入率向上に関する目標を設定している自治体は14.3%にとどまっています。

自治会加入率の現状把握は半数近くの自治体が行っているものの、具体的な目標設定や数値管理まで行っている自治体はまだ限られていることが分かりました。

自治会役員への依頼業務が大きな負担に

自治体から自治会へ依頼される広報紙の配布や各種調査への協力などについては、66.3%の自治体が「自治会役員の負担になりすぎている」と回答しました。
担い手不足や高齢化が進むなか、従来の運営方法を維持するだけでは自治会活動の継続が難しくなっている状況がうかがえます。

また、自治会への依頼業務の見直しについては、広報物の配布方法の見直しや配布回数の削減、業者への委託などが多く実施されていました。
一方で、依頼業務の見直しを実施していない自治体も4割を超えており、負担軽減の必要性が認識されながらも、具体的な改善に至っていないケースも少なくありません。

自治会役員との会議は「年3回以内」が約6割

自治会役員との会議頻度については、「年1回以内」が31.4%と最も多く、年3回以内の自治体が全体の約6割を占めました。
一方で、月1回以上会議を実施している自治体も14.2%となり、自治体ごとに自治会との関わり方には違いが見られます。

なお、自治会役員との連絡方法については、手紙や対面といった既存の方法に加え、メールやLINE、自治会向けアプリなどのデジタルツールの活用も広がりつつあることが分かりました。

会議頻度が高い自治体ほどデジタル化の導入・検討が進む傾向

会議回数別のデジタル化傾向について、年間の会議回数が6回以上の自治体では、デジタル化を「導入済み」または「検討中」と回答した割合が55.7%となった一方、会議回数が5回以下の自治体では39.4%となりました。

自治会との会議や調整の機会が多い自治体ほど、情報共有や連絡業務の負担が大きく、デジタルツールの活用が進みやすい可能性がうかがえます。

デジタル化最大の壁は「住民が操作に不慣れ」であること

自治会運営のデジタル化の障壁について尋ねたところ、最も多かった回答は「住民の多くがデジタル機器の操作に不慣れ」で、66.4%を占めました。

「財政を圧迫する可能性がある」や「デジタル機器を保有していない住民が多い」といった回答を大きく上回っており、最大の課題はシステムや予算ではなく、利用者側のデジタルツールへの慣れへの懸念にあることが分かります。

行政主導のデジタル化に期待する自治体は約3分の2

「自治会活動の維持」と「役員の負担軽減」を両立させる手段として、行政主導によるデジタル化推進は有効か尋ねたところ、66.3%の自治体が「有効」と回答しました。

自治会が単独でデジタル化を進めても、行政からの情報提供や依頼業務が紙中心のままでは、十分な効果は期待できません。
今回の結果からは、行政も含めた形でデジタル化を進めることの重要性が認識されていることがうかがえます。

学生インターンによる若者調査

調査を行う過程で、「若者の自治会に対する意識を知りたい」という声があったことから、当社のインターン生およびインターンのOBOG(19~27歳、50%は東京都在住、95%は1都3県在住)を対象に、若年層への自治会に対する意識調査も実施しました。

まず、自治会への加入状況について尋ねたところ、加入している人は30%にとどまりました。
また、家族と戸建てで同居している若者は加入率が高い一方、一人暮らしや家族で集合住宅に住んでいる若者は自治会加入率が低い傾向にありました。

また、自治会に加入していない理由としては、

  • 自治会の存在を知らない
  • 加入するメリットがわからない
  • 加入の仕方がわからない

といった回答が見られました。

調査結果からは、若者が自治会活動そのものに拒否感を持っているというよりも、活動内容や参加方法が十分に伝わっていないことが、参加の障壁となっている可能性がうかがえます。

「行政主導のデジタル化」に向けて―調査報告と自治会DXに関するセミナー開催

今回の調査からは、持続可能な自治会・町内会の運営に向けた、デジタル活用の可能性や現状の課題などが分かりました。
また、若い世代が自治会・町内会に参加しやすい仕組みづくりも、今後の地域コミュニティ運営における重要なテーマであることがうかがえました。

スパイラル株式会社のグループ会社であり、自治会・町内会運営支援システム「CHIKUWA!」を提供するスパイラルローキャス株式会社では、本調査レポートの結果をさらに深掘りする、無料のオンラインセミナーを開催します。
「CHIKUWA!」は行政が主導となり地域内の自治会・町内会のデジタル化を推進するシステムです。

説明会では、調査結果から見えてきた自治会・町内会を取り巻く課題や、今後の展望を深堀りするとともに、自治会・町内会運営支援システム「CHIKUWA!」を活用した各地の事例などもご紹介します。

■開催概要・申込み
  • タイトル:自治会DXに関する実態調査と「CHIKUWA!」の運用事例のご紹介セミナー
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関連リンク

  • 自治会・町内会運営支援システム「CHIKUWA!」